【真の幸せって?】ウェルビーイングの意味とは?【簡単に解説】

ポジティブ心理学
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こんにちは、Nameck(なめっく)です。
今日のテーマはウェルビーイングについてです。

ポジティブ心理学のゴールは勿論「幸せ」になることですが、その幸せとは一体何なのかわかっていますか?

・結局どんな状態が幸せなの?

・幸せにはどんな種類があるの?
・どの幸せを高めるべきなの?

サイ子さん
サイ子さん

こういった思いに答えるために、次のことを深掘りして解説していきます。

【この記事で学べること】

  • そもそも心理学的な幸せとは?
  • ウェルビーイングの種類
  • 心理的ウェルビーイングを高めるべき理由
Nameck(なめっく)
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多くの人が幸せになりたいと考えていることは当たり前ですが、その幸せとはいったいどのようなものなのでしょうか。

ポジティブ心理学で望ましいとされている幸せの形を学びましょう!

本ブログの内容は、科学的に分析された心理学論文の情報に基づいています。

それでは、さっそくポジティブ心理学のゴールとなる幸せについて学んでいきましょう!

そもそも心理学的な幸せとは

心理学での幸せは「ウェルビーイング(well-being)」と呼ばれています。

これは直訳すると「良い(well)状態(being)」という意味ですが、一般的には「厚生」、「満足」、「幸福」などと訳される言葉です。

お金をたくさん稼いで裕福な生活を送ることが出来れば幸せになるんじゃないの…?
サイ子さん
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Nameck(なめっく)
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確かに、ボーナスが入ったとき、給料日は幸せを感じられるかもしれないですよね。

でも、本当にお金=幸せなのでしょうか?

経済的満足は幸福か?

経済学では、収入・所得が大きいことが幸福度に影響するという立場をとっています。

確かに、給料日に通帳を見たり、ボーナスが入るときは幸せだと思えるかもしれない…。
サイ子さん
サイ子さん

しかし、この所得と幸福度の関係に関するデータからは次のような結果が示されています。

  • 所得の高い国の幸福度が高いとは限らないこと
  • 所得がある一定の水準を超えると幸福度の上昇がスローになること

ある程度までお金を稼ぐことが出来れば、そのあと一千万円、一億円と収入が増えても幸福だと強く感じなくなってくるのです。

生活が苦しい状態が状態が所得が増えることによって改善されれば生活のスタイルが大きく変わり幸福だと感じることが出来ますが、ある程度裕福になると生活のレベルは大きく変わらないため、収入が一億円が二億円に増えたとしても目に見えた変化がなく幸せだと感じられなくなってしまうのです。

確かに、日本は先進国で所得は国際的に高いけど、幸福度は世界的にも低いって話を聞いたことがあるわ!

お金=幸せとは限らないのね!

サイ子さん
サイ子さん
Nameck(なめっく)
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それでは、心理学的なウェルビーイングはどのようなものなのかを見ていきましょう!

ウェルビーイングの種類

心理学での幸福・ウェルビーイングは大きく2つの側面に分けることが出来ます。

【心理学での2つのウェルビーイング】

  • 主観的ウェルビーイング
  • 心理的ウェルビーイング
Nameck(なめっく)
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この2つのウェルビーイングがどのように異なるのかさっそく詳しく見ていきましょう!

主観的ウェルビーイング

主観的ウェルビーイングとは、「より良い心の状態」に焦点を当てた幸せです。

主観的ウェルビーイングは大きく次の2つの要素に分けることが出来ます。

  • 感情的側面:ポジティブな感情が高く、ネガティブな感情が低い
  • 認知的側面:人生に対する満足度の高さ
それってつまりどういうこと…?
サイ子さん
サイ子さん

主観的ウェルビーイング、つまり「良い心の状態」とはどのような感情を抱いているときか考えてみてください。

楽しい・嬉しいとかかな?
サイ子さん
サイ子さん

その通りです。

主観的ウェルビーイングが高いときの感情状態は、そのようなポジティブな感情が高いのです。

それと同時に「良い心の状態」では、「不安」や「憂鬱」のようなネガティブな感情が低い必要があるのです。

Nameck(なめっく)
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ポジティブ感情がどのようにして幸せに繋がっているのかについては次の記事で詳しく解説しています!
https://psycho-labo.com/positive-emotion/
それに加え、主観的ウェルビーイングが高いときには、「自分の人生は満足できるものだ」という認識・理解を持っています。
そのため、主観的ウェルビーイングは次のような公式で表すことが出来るのです。
主観的ウェルビーイングポジティブ感情の高さ+ネガティブ感情の低さ+人生の満足度の高さ

心理的ウェルビーイング

主観的ウェルビーイングは感情と認識によって構成される「幸福」でしたが、心理的ウェルビーイングはより広い領域を含む「幸せ」です。

心理的ウェルビーイングとは、意味のある生活を示し、次の6つの機能から構成されています。

【心理的ウェルビーイングを構成する機能】

  • 自己受容:様々な自分を認め、肯定する
  • 積極的な他者関係:他者と温かい信頼関係を築いている
  • 自律性:他人に流されず自分の価値観で決定する
  • 環境制御力:周囲の環境を有効に活用する
  • 人生の目的:人生に意義を感じ、人生の目的が定まっている
  • 人格的成長:成長している感覚を持っている
このようにしてみてみると、心理的ウェルビーイングは人間関係や成長など広い範囲を対象としている概念であることが分かります。
このように心理的ウェルビーイングは、自分の感情・認識だけでなく、人生全般にわたるポジティブな心理的機能のことを指すのです。

心理的ウェルビーイングを高めるべき理由

結論からお伝えすると、心理的ウェルビーイングを高めるようにしましょう。

Nameck(なめっく)
Nameck(なめっく)
その理由は、人生に対する満足度やその場の感情といった「主観的な幸福感」は気分に左右されやすいからです

人間が感じる「幸福」はとても不安定です。

ある実験では、次のような2パターンの質問をしました。

  1. 「あなたは幸せですか?」と尋ねた後に、「あなたはデートをしていますか?」と訊く。
  2. 「あなたはデートをしていますか?」と尋ねた後に、「あなたは幸せですか?」と訊く。

このとき、デートをしていることと、幸せの関連が強かったのは②の質問のほうでした。

つまり、デートと言う満足度の高いイベントを思い出す操作によって、主観的な幸福感は喚起することが出来ることを示しています。

しかし、このような「主観的な幸福感」はその時の気分に左右されてしまうため、本当の幸せという観点からは外れるでしょう。

その点、心理的ウェルビーイングは人生全般にわたるポジティブな心理的機能にフォーカスを当てており、その時の気分や嫌な出来事などに左右されません。

そういった点で長期的に持続する幸福を目指すうえでは「心理的ウェルビーイング」の向上を目指すことが望ましいのです。

ポジティブ心理学が目指すPERMAモデル

ポジティブ心理学では、持続的なウェルビーイングの状態である「フラーリッシング(flourishing)」を目標としています。

そして、これは「繁栄」や「持続的幸福」を意味する用語であり、ポジティブ心理学ではこの幸せを構成する要素を特定し、次の5つを掲げています。

  • Positive emotion(ポジティブ感情)
  • Engagement(エンゲージメント)
  • Relationship(人間関係)
  • Mean(意義)
  • Achievement(達成)

これらの要素が組み合わさることで持続的な幸せを手に入れることが出来るとする理論のことを、頭文字をとって「PERMA」モデルと呼びます。

これらの要素を見てみると、人間関係や達成など広く生活全般に関わる心理的機能であり、ポジティブ心理学での「幸せ」は心理的ウェルビーイングと非常によく似た概念であると考えて差し支えないでしょう。

Nameck(なめっく)
Nameck(なめっく)
PERMAモデルについては次の記事でより詳しく解説しています!

ぜひ、どのようにして幸せを構成する要素を高めていくのかをポジティブ心理学から学びましょう!

まとめ:安定した持続的幸福を高めましょう

今回は心理学的な幸せ「ウェルビーイング」を取り上げました。

記事のポイントをまとめます。

  • 幸せのことを心理学では「ウェルビーイング」と呼ぶ
  • ウェルビーイングには大きく分けて主観的ウェルビーイングと心理的ウェルビーイングがある
  • 持続的な幸せである心理的ウェルビーイングの方が望ましく、ポジティブ心理学ではそのような持続的幸せを高める方法が研究されている

【参考文献】

  • 中野明(2020)『ポジティブ心理学入門: よりよい人生を生きるためのルール』FLoW ePublication
  • 有馬雄祐(2019)『【解説】ウェルビーイングとは何か?技能科学への応用の可能性』 技能科学研究 36 (2), 1-4
  • 西尾悠佑・石川信一(2016)『心理的ウェルビーイングとウェルビーイング療法に関する展望』心理臨床科学 6 (1), 43-52
プロフィール
この記事を書いた人
Nameck

国立大学に進学も、なじむことが出来ず引きこもりに…。
そんな中で心理学と出会い、知識0の状態から独学で臨床心理士指定大学院に合格。
心理学を学びたいけど、ハードルの高さを感じている人の役に立ちたくて心理学情報を発信中。

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