【あなたの強みはなんですか?】ポジティブ心理学における強みとは?

ポジティブ心理学
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こんにちは、Nameck(なめっく)です。
今日のテーマは強みについてです。

ポジティブ心理学では、個人の強みにフォーカスを当て、それを活かしていくことにより幸福度を上昇させようという取り組みがなされています。

・心理学的な強みって何?

・自分の強みってどうすれば見つけられるの?
・強みは活かすとどうなるの?

サイ子さん
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こういった思いに答えるために、次のことを深掘りして解説していきます。

【この記事で学べること】

  • ポジティブ心理学における強みとは?
  • 強みを見つけるための方法
  • 強みを活かし幸せになる方法
Nameck(なめっく)
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転職活動などの場面でも自分の強みや長所がよくわからないという人も少なくありません。強みを見つけて活かしていくためにも、ポジティブ心理学的強みとはいったいどのようなものなのかを学びましょう!

本ブログの内容は、科学的に分析された心理学論文の情報に基づいています。

それでは、さっそくポジティブ心理学における強みについて学んでいきましょう!

ポジティブ心理学における強みとは?

ポジティブ心理学における「強み」には様々な定義がありますが、近年注目が集まっているのは性格特性的な強みと呼ばれ、次のように定義されます。

【性格特性的強み】
思考、感情、行動に反映されるポジティブな特性
それって、つまりどういうこと…?
サイ子さん
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例えば、一般的なイメージとして、イケメンである、運動神経が良いなどの特徴も強みとして認識されていることでしょう。
しかし、性格特性的強みでは、身体的特徴や高度な技術などではなく、個人の持つ「美徳」に注目するのです。
Nameck(なめっく)
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いわゆる、人格者の持つ素晴らしい性格の特徴に注目すれば、国や人種などに左右されることのない人間としての価値を見つけることが出来るでしょう
こうして、まとめられたのがVIA-IS(美徳リスト)です。

VIA-IS(Values In Action:Inventory of Strength)とは

VIA-ISとは、様々な文化でも望ましいとされる全国共通の美徳6つとその下位概念として合計24の性格特性的強みをまとめたものです。

それぞれの美徳と性格特性的強みは次の通りです。

美徳 強み 特徴
知恵と知識 独創性 独創的なアイデアをたくさん持っている
好奇心・興味 世の中の様々なものに好奇心が強い
判断 合理的に考え、判断を下す
向学心 学ぶことへの意欲が強い
見通し 物事をよく見て、幅広い知識を持っている
勇気 勇気 嫌な出来事にも立ち向かうことが出来る
勤勉 始めたことはきちんと終わらせる
誠実性 約束はきちんと守る
熱意 人生のあらゆるイベントに積極的に参加していく
人間性 愛する力・愛される力 他の人を愛し、受け入れられる
親切 周囲の人を積極的に助ける
社会的知能 状況に合わせた振る舞いをする
正義 チームワーク グループの一員として全力を出す
平等・公平 誰に対しても平等に接する
リーダーシップ グループの仲間意識を高めるような気配りをする
節度 寛大 過去のことは水に流すことが出来る
謙虚 自分の業績を自慢することはしない
思慮深さ・慎重 危険なことを避け、慎重に行動する
自己コントロール 健康を害するような暴飲暴食はせず、節度のある行動をとる
超越性 審美心 素晴らしい出来事に感動し、涙する
感謝 親切に対し、感謝を伝える
希望・楽観性 物事の良い面を見つけ、希望を抱く
ユーモア・遊戯心 人を笑わせることを楽しむことが出来る
精神性 人生にはっきりとした目的を持っている
一言で強みと言っても、これだけたくさんあるのね!これだけあれば、私の特徴と合うものがあるかもしれない!
サイ子さん
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強みを見つけるための方法

あなたに備わっている性格特性的強みはどのようなものですか?

「あなたの強みは何ですか?」と問われて、思わず答えに詰まってしまう人も少なくないでしょう。

自分の強みを見つけるための方法は次のようなものがあります。

  • フィードバック分析をしてみる
  • 周囲の人に訊いてみる
  • 性格診断を受けてみる

フィードバック分析をしてみる

自分の強みを見つけるということは、自分を客観的に見てみるということです。

その時には、実際に自分の強みが発揮された成功体験や得意なことを紙に書き出してみましょう。

この時に有効な手法に「フィードバック分析」があります。

Nameck(なめっく)
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フィードバック分析とは、自らが楽しい・意義があるという活動に注目し、自分の強みを探し出そうとする手法です。

そのため、次のようなフィードバック分析をして、「自分の強み」が何なのかを突き止めましょう。

【フィードバック分析のやり方】

  • スケジュール表に日々の行動を細かく書き出す
  • 書き出した行動に関する予想した満足度と実際の満足度を記入する
  • 3週間ほど実施し、予想と実際を比較する

こうして紙に書き出し記録をすることで、どのような行動に満足度が高いのかが視覚的に分かるようになります。

周囲の人に訊いてみる

人は自分のことをわかっているようで、案外分かっていません。

そのため、自分の強みが分からないと思っていても、他者にはあなたの強みが見えているかもしれません。

そのため、信頼できる人に「私の強み、私の良いところってどこだと思いますか?」と勇気を出して訊いてみましょう。

Nameck(なめっく)
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この時のポイントは、自分の良いところ、悪いところをきちんと伝えてくれる信頼できる人に尋ねることです

どうしても、人間関係を円滑に進めるために、私たちは「建前」を使ってしまいます。

そのため、浅い関係の人に尋ねると「優しいところ」のような抽象的な答えしか得られないでしょう。

そのため、信頼できる人に自分の良いところを尋ね、どのようなところからそう思ったのかを訊いてみましょう。

無料の性格診断を受けてみる

自分で強みを考えることが難しい、人に訊くのもなんだかしっくりこないという人は、性格特性的強みを診断するツールを使うことも有効です。

性格特性的強みを分類したVIAはインターネット上で行うことのできる診断テストが無料で提供されています。

Nameck(なめっく)
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上記リンクは英語サイトですので、左上の「言語」から日本語を選択して診断テストを受けるようにしましょう!

VIA強み診断テストの受け方】

  1. サイト左上の「Language」タブから日本語を選択
  2. 氏名(アルファベット)、メールアドレス、パスワード、性別、生年月日を入力し、登録ボタンを押す
  3. 「VIA成人調査」の「成人アンケートから開始」ボタンをクリック
  4. 質問に答える(全120問)
  5. 回答後、自分の強みTOP5が表示される
登録や質問に答えることは少し手間ですが、自分の強みを知っておくことは大きな財産になります。
これを機にぜひ取り組んでみてください。
Nameck(なめっく)
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「強み」を見つけただけで満足してしまってはもったいないです。
ぜひ、見つけた強みを活かし、幸せになる方法を学びましょう!

強みを活かし幸せになるための方法

せっかく強みを持っていても、それをうまく活用しなければ十分な効果が発揮されません。

例えば、いきなり「あなたはイスラム文化を勉強することの才能がありますね!」と言われたらどうでしょうか?

多くの人はピンとこないですし、それを実生活に取り入れ、活かしていこうとは思わないはずです。

Nameck(なめっく)
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つまり、自分の強みがどのようなものなのかを理解し、それを上手く活用してなければ、せっかくの強みも台無しになってしまうということです!

強みを日常生活で活用する

ポジティブ心理学の提唱者であるセリグマン博士は、見つかった自分の強みを日常生活で活用できているか見直すことの必要性を唱えています。

そもそも、VIA-ISで分かった強みは非常に抽象的です。

そのため、よりその強みをどのようにして日常生活に取り入れていくのかを考えていかなくてはいけません。

セリグマンは、VIA-ISによって分かった強みを「1週間毎日、今まで試したことのない方法で活用してみる」という実験を行いました。

Nameck(なめっく)
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例えば、「感謝」が強みである場合、毎日家事をしてくれる奥さんに感謝の言葉を伝えてみるなどが挙げられます。

このような取り組みを行った人は、ただ単に自分の強みを知った人よりも6か月という長期間にわたって幸福感が増加したのです。

そのため、せっかく自分の強みが何なのかが分かったら、それを実生活に当てはめて実践していきましょう。

Nameck(なめっく)
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この時の実践はとても小さなことからで構いません。

自分の強みを活かせている実践であれば、それが苦にならず、やり終えた時に心地よい感覚が得られるでしょう。

それが幸せへの第1歩なのです。

まとめ:強みを生活で活かしていきましょう

今回はポジティブ心理学における「強み」について解説してきました。

記事のポイントをまとめます。

  • ポジティブ心理学の強みとは性格特性的な強みを指す
  • 強みを見つけるためには客観視が重要、必要であれば無料の診断ツールを使おう
  • 強みを日常生活で実践することが更なる幸せに繋がる

【参考文献】

  • 阿部望・石川信一(2016)『ポジティブ心理学における強み研究についての課題と展望』心理臨床科学 6 (1), 17-28
  • 高橋誠(2016)『性格特性的強みを活用する介入的実験における「注目」の効果 : 強みの活用過程における理論的モデルの検証』東京学芸大学 博士(教育学) 甲第260号
  • 津田恭充・島井哲志(2017)『潜在的強みの測定とその活用 : ポジティブ心理学の更なる発展に向けて』 関西福祉科学大学紀要  21 27-35
プロフィール
この記事を書いた人
Nameck

国立大学に進学も、なじむことが出来ず引きこもりに…。
そんな中で心理学と出会い、知識0の状態から独学で臨床心理士指定大学院に合格。
心理学を学びたいけど、ハードルの高さを感じている人の役に立ちたくて心理学情報を発信中。

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