こんにちは、Nameck(なめっく)です。
今日のテーマはポジティブ心理学でも重要視される『楽観性』。
これから良いことが起こると思って過ごせたら生活の質は確かに向上しそうですよね。
・私はネガティブだから…
・楽観的って能天気な人のことでしょ…?
こういった思いに答えるために、次のことを深掘りして解説していきます。
【この記事で学べること】
- そもそも、心理学的な楽観性とは?
- 楽観性が望ましい理由
- 楽観性を高める方法3選
本ブログの内容は、科学的に分析された心理学論文の情報に基づいています。
それでは、さっそく楽観性について学んでいきましょう!
そもそも、心理学的な楽観性とは?
心理学的に楽観性(Optimism)とは次のように定義されます。
- 特性的楽観性
- 楽観的帰属スタイル
①特性的楽観性とは
特性的楽観性とは、性格の傾向を指す概念で、いわゆるポジティブ思考な人のことを指します。
この立場では、日常生活のあらゆることを楽観的に考えるという全般的な性格傾向として楽観性を捉えています。
日常生活では上記のような、様々なイベントが起こります。
そして、特性的楽観性の高い人というのは、このようなイベントの多くに「うまくいくだろう」という肯定的な未来を思い浮かべられるのです。
②楽観的帰属スタイル
もう一つの楽観的帰属スタイルとは、成功体験の原因を肯定的に解釈する傾向のことを指します。
これは原因帰属と呼ばれる理論の1つで、楽観的な帰属スタイルを持つ人は、成功体験の原因が自分であり(内的)、これからもずっと(永続的)、あらゆる場合(全体的)でも起こるだろうと考えます。
成功体験の原因は…
- 内的(自分)-外的(自分以外)
- 永続的(ずっと続く)-一時的(長くは続かない)
- 全体的(あらゆることでも)-特異的(特定の場面でのみ)
例えば、好きな人に告白してOKをもらえたとしましょう。
本当の原因は、彼女と別れたばかりで特に好きでもないけど、たまたま告白してきたからとりあえずOKしたという悲しい原因かもしれませんよね…。
でも、楽観的説明スタイルの人は、告白してOKされたのは「私って、モテるから」と考えます。
逆に、失敗体験の原因は、自分以外であり(外的)、今回だけ(一時的)、この状況に限って(特異的)起こったのだと考えます。
例えば、合コンで全く男子から見向きもされなかった時に、「この合コンが悪い」と考えるのです。
楽観性が望ましいとされる理由
結論からお伝えすると、楽観性の高い人は望ましい人物です。
そして、その理由は健康度が高く、仕事や勉強など課題のパフォーマンスが高いことが研究でわかっています。
健康度の高さ
楽観性の高い人は、健康であるということが研究でも示されています。
乳がん患者や、感情静脈バイパス手術をした人、アルツハイマー患者を介護する人、大学生など様々な対象を扱った研究でも一貫して健康度が高いという結果が示されています。
楽観性の高い人は…
- 免疫機能が高い
- 手術後の回復が早い
- 風邪を引きにくい
このような、身体的な健康度に加え、楽観性が高い人は気分の落ち込みや不安・イライラなど精神的なトラブルを抱えにくく、幸福感を抱きやすい、つまり精神的健康度も高いのです。
課題のパフォーマンスの高さ
楽観性の高い人は、幸福感、生活の質が高いことが指摘されています。
しかし、多くの心理学研究で、楽観性の高い人は仕事や勉強など課題のパフォーマンスが高いことが指摘されているのです。
この理由は、楽観性は行動の活力やモチベーションを支える心理資源であるからです。
楽観性とパフォーマンスの高さについては次の記事で詳しく解説しています。
楽観性を高めるための方法3選
楽観性はトレーニングによって高めることが出来るということも大きな特徴の1つです。
【楽観性を高める3つの方法】
- 成功体験を積む
- 他人と比較しない
- 自分の思考の癖を振り返る
①成功体験を積む
小さくても構いません。
小さな成功体験を積み重ねましょう。
なぜなら、成功体験は自信をつける礎となるからです。
でもやっぱり、自信がないし…
ポジティブ思考にしなければと無理をしても、自信がなければうまくいきません。
そのため、自信をつけるためにも成功体験を積み重ねる必要があるのです。
本当にそうでしょうか?
よくよく振り返ると成功体験はたくさんあるかもしれませんよ?
成功体験は何も、ほかの人に誇れるような大きな成功でなくても構いません。
小さな成功体験の例
- 朝寝坊せずちゃんと起きれた!
- 部屋を掃除できた!
- ちゃんと学校に行けた!
そのような人は、他人と比べてしまう傾向がありそうです。
②他人と比較しない
競争社会で他者よりも優れているということは、嬉しいことですが、全てを他者と比較して考えることはお勧めしません。
他者と比較しようとしても上には上がいるため、どこまで自分が頑張ったとしても自分自身を認めてあげることは難しいでしょう。
そのため、過去の自分と比べてどうだったのかという視点を持つと、成功体験を見つけやすくなるかもしれません。
③自分の思考の癖を振り返る
このような考え方の癖はありませんか?
- どうせ上手くいかない…
- 自分がしてきたことなんて大したことない…
- 失敗したのは私が原因だ…
ネガティブな考えが癖になっている人は、楽観的に考えることがとても難しいはずです。
しかし、大丈夫です。
ネガティブな思考に対して「本当かな?」と反論していけば、少しづつポジティブな考えが浮かんでくるようになります。
もう、おしまいだ…
- それは、本当に自分だけが悪かったのですか?
- 本当に取り返しがつかないのですか?
明日、上司のAさんに相談したらなんとかなるかも!
なお、思考の癖を見つけ、反論するときは頭の中だけで考えず、紙に書きだすとうまく整理することが出来ますよ!
まとめ
今回は楽観性をテーマに、なぜ楽観性は望ましいのかやどのようにして高めればよいのかを解説しました。
記事のポイントをまとめます。
- 楽観性とは、肯定的な未来を思い浮かべる傾向のこと
- 楽観性の高い人は、健康度やパフォーマンスが高いので望ましい
- たとえネガティブな人でも、楽観性は高められる
【参考文献】
- 魚地朋恵・前野隆司・越川房子(2020)『楽観性向上プログラム』日本創造学会論文誌 23 (0), 76-91
- 外山美樹(2014)『特性的楽観・悲観性が出来事の重要性を調整変数としてコーピング方略に及ぼす影響』心理学研究 85 (3), 257-265
- 内藤誼人(2012)『楽観性と学業パフォーマンス』立正大学心理学研究所紀要 10 1-7
たとえば…